
信書とは?基礎知識とDM発送時に注意すべきポイント
「信書」とは、特定の相手に対して意思や事実を伝える文書のことです。
契約書や請求書、通知書など、特定の相手に意思や事実を伝える文書は「信書」に該当し、送付方法が法律で制限されています。
特にDM(ダイレクトメール)をゆうメールで発送する場合、内容によっては信書と判断され、発送できないケースがあります。
その場合、信書を送れる郵便などで発送する必要があるため、送料が大きく変わる場合があります。
しかし実際には、信書の判断に迷う担当者も少なくありません。
・そもそも信書とは何か
・どんな表現が信書に該当するのか
・DMが信書かどうか判断できない
本記事では、信書の定義や信書に該当する具体例を解説するとともに、DM発送時に注意すべき表現や信書確認の方法、「非信書化」の方法までわかりやすく解説します。
目次[非表示]
- 1.信書とは?定義をわかりやすく解説
- 2.信書に該当するもの・しないもの
- 2.1.信書に該当するもの
- 2.2.信書に該当しないもの
- 3.信書を送る方法
- 3.1.日本郵便のサービスで送る
- 3.2.信書便事業者のサービスで送る
- 4.信書を送れない配送方法
- 5.誤って信書を送ってしまった場合どうなる?
- 6.DM発送時に注意すべきポイント
- 7.DMを「非信書化」する方法
- 8.自社のDMが信書に該当するか確認する4つの方法
- 8.1.郵便局へ確認する
- 8.2.総務省に問い合わせる
- 8.3.発送代行会社に相談する
- 8.4.信書チェックツール『TRUSQUETTA LETTER』で確認する
- 8.4.1.トラスクエタレターとは
- 9.まとめ
信書とは?定義をわかりやすく解説
「信書」とは、他人に対して意思を表示する文書や通知を指します。
郵便法および信書便法では「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」と規定されており、契約書、請求書、通知書など、意思表示や個人的なメッセージが含まれる書類が該当します。
ダイレクトメール発送時にも、相手に特定の意思を伝える内容が含まれている場合は信書とみなされます。
信書に該当するもの・しないもの
信書の定義だけでは、実際にどのような文書が該当するのかわかりにくいと感じる方も多いかもしれません。
信書に該当するかどうかは、郵便法で定められた「特定の受取人に対する文書であること」と「差出人の意思を表示、または事実を通知する内容であること」という2つの条件を満たすかどうかで判断されます。
では、具体的にどのような文書が信書に該当し、どのようなものが該当しないのでしょうか。
以下で具体例を紹介します。
信書に該当するもの
信書に該当する例は以下となります。
■書状
■請求書の類
【例】納品書、領収書、見積書、願書、申込書、申請書、申告書、依頼書、契約書、照会書、回答書、承諾書、◇レセプト(診療報酬明細書等)、◇推薦書、◇注文書、◇年金に関する通知書・申告書、◇確定申告書、◇給与支払報告書
■会議招集通知の類
【例】 結婚式等の招待状、業務を報告する文書
■許可書の類
【例】 免許証、認定書、表彰状
※カード形状の資格の認定書などを含みます。
■証明書の類
【例】印鑑証明書、納税証明書、戸籍謄本、住民票の写し ◇健康保険証、◇登記簿謄本、◇車検証、◇履歴書、◇給与支払明細書、◇産業廃棄物管理票、◇保険証券、◇振込証明書、◇輸出証明書、◇健康診断結果通知書・消防設備点検表・調査報告書・検査成績票・商品の品質証明書その他の点検・調査・検査などの結果を通知する文書
■ダイレクトメール
文書自体に受取人が記載されている文書
商品の購入等利用関係、契約関係等特定の受取人に差し出す趣旨が明らかな文言が記載されている文書
※ ◇印は個々の相談において判断された事例。
信書に該当しないもの
信書に該当しな例は以下となります。
■書籍の類
【例】新聞、雑誌、会報、会誌、手帳、カレンダー、ポスター、◇講習会配布資料、◇作文、◇研究論文、◇卒業論文、◇裁判記録、◇図面、◇設計図書
■カタログ
■小切手の類
【例】 手形、株券、◇為替証書
■プリペイドカードの類
【例】 商品券、図書券、◇プリントアウトした電子チケット
■乗車券の類
【例】 航空券、定期券、入場券
■クレジットカードの類
【例】 キャッシュカード、ローンカード
■会員カードの類
【例】 入会証、ポイントカード、マイレージカード
■ダイレクトメール
専ら街頭における配布や新聞折り込みを前提として作成されるチラシのようなもの
専ら店頭における配布を前提として作成されるパンフレットやリーフレットのようなもの
■その他
◇説明書の類(市販の食品・医薬品・家庭用又は事業用の機器・ソフトウェアなどの取扱説明書・解説書・仕様書、定款、約款、目論見書)、◇求人票、◇配送伝票、◇名刺、◇パスポート、◇振込用紙、◇出勤簿、◇ナンバープレート
※ ◇印は個々の相談において判断された事例。
信書を送る方法
信書の送付は、郵便法によってその手段が厳しく制限されています。
法律で許可されているのは、日本郵便株式会社と、総務大臣から「特定信書便事業」の許可を得た民間事業者のみです。これらの事業者が提供する特定のサービスを利用することが、法令を遵守した唯一の送付方法となります。
許可されていない宅配便などで信書を送ることは法律違反となるため、発送時には適切なサービスを選択しなければなりません。
日本郵便のサービスで送る
日本郵便が提供するサービスのうち、信書を送付できるのは主に「郵便サービス」として分類されるものです。
具体的には、第一種郵便物である定形郵便や定形外郵便が基本となります。
このほか、レターパック(プラス・ライト)、スマートレター、ミニレター(郵便書簡)なども信書の送付に対応しています。
これらのサービスは全国一律の料金で利用でき、追跡サービスの有無やサイズ、重量によって選択肢が異なります。
送りたい信書の内容や緊急度に応じて適切なサービスを選びましょう。
信書便事業者のサービスで送る
日本郵便以外では、総務大臣の許可を受けた「特定信書便事業者」が信書の配達を行えます。
これは「信書便」と呼ばれるサービスで、特定の地域や特定の種類の信書に特化していることが多いです。
例えば、バイク便の一部や、高付加価値なセキュリティ便などが該当します。
料金は割高になる傾向がありますが、即日配達や厳重な管理体制といった付加価値を提供しています。
自社のニーズに合った信書便事業者を探す際は、総務省のウェブサイトに掲載されている許可事業者一覧を確認します。
信書を送れない配送方法
信書の送付は郵便法で厳しく定められており、許可された事業者以外の方法で送ることは禁じられています。
特に、一般的に利用される多くの荷物配送サービスは信書の送付には使えません。
これには、大手の宅配便会社が提供するサービスや、日本郵便の一部のサービスも含まれます。
これらの方法は、あくまで「荷物」を運ぶためのものであり、信書を送る目的での利用は想定されていません。
誤って利用すると法律違反となるため、注意が必要です。
宅配便(ヤマト運輸・佐川急便など)での送付は原則禁止
ヤマト運輸の「宅急便」や佐川急便の「飛脚宅配便」といった、一般的な宅配便サービスで信書を送ることは、郵便法により原則として禁止されています。
これらの宅配事業者は、貨物自動車運送事業法に基づき「貨物(荷物)」の配送を行う事業者であり、信書を送達するための許可を得ていないためです。
契約書や請求書などの信書を荷物と偽って送る行為は、差出人・運送事業者の双方が罰則の対象となる可能性があります。
ただし佐川急便が提供する「飛脚特定信書便」は、特定信書便事業の許可を受けたサービスのため、信書の送付に利用できます。
通常の宅配便サービスを利用する場合は、信書を送れない点に注意が必要です。
日本郵便でも「ゆうメール」は信書を送れない!

日本郵便が提供するサービスであっても、すべてが信書の送付に対応しているわけではありません。
「ゆうメール」「ゆうパック」「ゆうパケット」「クリックポスト」は、荷物や冊子などを送るためのサービスであり、信書を送ることは禁止されています。
特に「ゆうメール」はDM発送で多用されるため、内容物が信書に該当しないかどうかの確認が不可欠です。
また、同様のクロネコゆうメールやその他のメール便サービスでも信書を送ることはできません。
これらのサービスを利用して信書を送付すると、郵便法違反となるため、信書を送る際は定形郵便やレターパックなど、許可された方法を選択する必要があります。
【例外】荷物に信書を同封できる「添え状」の条件とは?
原則として荷物と信書を一緒に送ることはできませんが、例外として「添え状」であれば同封が認められています。
添え状とは、その荷物の送付に付随する簡単な通信文のことです。
具体的には、荷物の内容を示す「納品書」や「送り状」、簡単な挨拶を記した「手紙」などが該当します。
ただし、添え状はあくまで従的な文書でなければならず、それ自体が主目的となる文書は同封できません。
例えば、荷物とは無関係の請求書や契約書、DMなどを同封すると郵便法違反となります。
添え状として認められるのは、荷物に密接に関連した内容の簡単な文書に限られます。
総務省「信書の定義について」より抜粋
誤って信書を送ってしまった場合どうなる?

許可されていない宅配便やゆうメールなどで信書を送ってしまった場合、郵便法違反に問われる可能性があります。
この法律では、日本郵便と特定信書便事業者以外の者が信書の送達を行うこと、また、それを依頼することを禁じています。
違反した場合の罰則は「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」と定められており、これは送付を依頼した差出人だけでなく、配送を行った事業者側も対象となります。
意図的でなくとも、知らなかったでは済まされないため、発送前には文書が信書に該当しないか、配送方法が適切かを必ず確認することが重要です。
DM発送時に注意すべきポイント
DMを発送する際は、その内容が信書に該当しないか細心の注意を払う必要があります。
なぜなら、わずかな文言の違いで信書と判断され、安価なゆうメールなどで発送できなくなるからです。
特に、受取人を特定するような表現や、特定の契約関係を前提とした案内は信書と見なされるリスクが高まります。
意図せず郵便法に違反してしまう事態を避けるためにも、DMを作成する段階から信書の定義を理解し、誤解を招く表現を使わないように心掛けることが不可欠です。
ダイレクトメールにおける信書の表現
DMの信書該当の判断は、総務省が公表している「信書のガイドライン」を基準に判断されます。
請求書や契約書のように信書と判断しやすい書類もありますが、ダイレクトメールの場合は内容や表記、表現によって信書かどうかが判断されます。
それでは、どのような表現が信書に該当するのでしょうか。
総務省「信書の定義について」より抜粋
ダイレクトメールが信書とみなされる表現例
ダイレクトメールの内容が信書と判断されるかどうかは、「特定の受取人」に向けた「意思の表示または事実の通知」という2つの要素で決まります。
特にDMでは、受取人を限定する表現や、個別の利用状況に基づいた案内文が含まれていると、信書と見なされやすくなります。
不特定多数に宛てた広告物であれば問題ありませんが、顧客一人ひとりに向けたメッセージ性が強まると、信書の領域に入ってしまう可能性があります。
以下で挙げる具体例を参考に、自社のDMが該当しないか確認してください。
① 受取人や対象者が限定・記載されている
「会員」や「購読者」など受取人を特定している文言が入っている場合、信書とみなされます。

【例】
- ●●会員の皆様へ
- ●●購読者の皆様に限定でお届け!
- ●●マンションをご所有の皆様へ
② 商品・サービスの購入や利用があることを示す文言が記載されている
商品やサービスの利用関係があることを示す文言が記載されている場合、商品を利用している顧客に対する文書である(=受取人を限定している)と判断できるので、受取人の記載がなくても信書とみなされます。

【例】
- いつも●●をご利用いただきありがとうございます。
- 先日は●●美容液をご購入いただきましたが、その後お肌の調子はいかがですか?
- あなたのポイントは現在●●ポイントです。
③ 契約などで差出人と特定の関係にある相手に対して、意思や事実を伝える内容が記載されている
「差出人の意思を表示している」ダイレクトメールは信書とみなされます。

【例】
- 契約満了とそれに伴う契約継続の案内
- 契約期限のお知らせと新サービスの案内
- 車検満了のお知らせに伴う車検割引の案内 など
④ 差出人が特定の受取人に向けて送る意図が明確に記載されている
上記①~③以外にも、差出人が特定の受取人に対して意思を明確に示しているとみなされた場合は信書となります。

【例】
- 誕生日のお祝いにあわせた割引案内
- 受賞のお祝いにあわせた商品案内 など
DMを「非信書化」する方法

2024年10月1日から郵便料金が値上げされたこともあり、DM発送にかかる送料をできるだけ抑えたいと考える企業は増えています。
しかし、信書に該当する内容のDMは、ゆうメールで送ることができません。
一方で、DMは内容や表現によって信書かどうかが判断されるため、記載内容を見直して信書に該当する表現を変更し、「非信書化」することで、ゆうメールで発送できるケースがあります。
「非信書化」することで送料は半分以下になる!
DMを非信書化できれば、発送方法の選択肢が広がり、送料を大きく抑えられる可能性があります。
例えば、角2封筒でDMを発送する場合、定形外郵便(100g以内)では1通あたり180円かかります。
一方、特約ゆうメールを利用した場合は送料を大幅に抑えることが可能です。
株式会社ディーエムエスでは、日本郵便と特約運賃契約を結んだ「DMS特約ゆうメール」を提供しています。
DM発送を当社が代行することで、通常のゆうメール料金よりも安い送料での発送が可能となり、1通あたり約60円でDMを送付することができます。
このように、DMを非信書化することで発送コストを半分以下に抑えられるケースもあり、大量発送を行う企業にとって大きなコスト削減につながります。
関連コラム:特約ゆうメールとは?DM発送のコストを抑える方法

自社のDMが信書に該当するか確認する4つの方法
ここまで信書に該当する例を紹介しましたが、実際に自社のDMが信書に該当するかどうかを判断するのは簡単ではありません。
同じような表現でも、個別のケースによって信書ではないと判断されることもあります。
そのため、DMが信書に該当するか迷った場合は、次のような方法で確認することが可能です。
郵便局へ確認する
最寄りの郵便局へ相談し、DMの内容が信書に該当するか確認する方法です。
ただし、内容の確認や判断に時間がかかる場合があります
総務省に問い合わせる
最寄りの郵便局へ相談し、DMの内容が信書に該当するか確認する方法です。
ただし、内容の確認や判断に時間がかかる場合があります
発送代行会社に相談する
DM発送を専門に行う発送代行会社に相談する方法もあります。
過去の事例や実績をもとに、信書に該当する可能性や注意点についてアドバイスを受けることができます。
株式会社ディーエムエスでは、年間3.5億通以上のDM発送実績をもとに、信書に該当するかの確認や「非信書化」に向けた表現の見直しについてもサポートしています。

信書チェックツール『TRUSQUETTA LETTER』で確認する
郵便局や総務省、発送代行会社への相談は確実な方法ですが、確認に時間がかかる場合があります。
制作段階で素早くチェックしたい場合や、複数のクリエイティブを社内で確認したい場合には、信書チェックツールの活用も有効です。
トラスクエタレターとは
信書表現チェックツール「トラスクエタレター」は、DMなどの文面が信書に該当する可能性を簡単に確認できるツールです。
特許取得の表現チェックデータベース「トラスクエタ」とAI技術を活用し、これまで専門知識が必要だった信書表現の確認作業を誰でも簡単に行えるようにしています。
DMの画像データをアップロードするだけで、郵便法および信書便法に規定されている信書の表現をAIが自動で判別します。
該当度や代替表現の提案も提示されるため、時間がかかりがちな信書確認を社内で効率的に行うことができます。

まとめ
信書とは、特定の受取人に対して差出人の意思や事実を伝える文書のことを指します。
DMの内容や表現によっては信書と判断される場合があり、ゆうメールなど信書を送ることができない配送方法で発送すると、郵便法に違反する可能性があります。
そのため、DMを発送する際は、信書に該当する表現が含まれていないか事前に確認することが重要です。
また、DMの文面を見直して信書に該当する表現を変更することで、「非信書化」し、ゆうメールで発送できるケースもあります。
自社のDMが信書に該当するか判断に迷う場合は、郵便局や総務省への確認、発送代行会社への相談、信書チェックツールの活用などを検討するとよいでしょう。
株式会社ディーエムエスでは、DM発送に関するご相談や信書確認や非信書化に向けたアドバイスを無料で行っていますので、自社のDMが信書に該当するか確認したい方は、お気軽にご相談ください!










